国際交流事業

韓国親善訪問を終えて

                      広島車いすダンスくらぶ会長 仲井サカエ

 

 今年は「日韓国交正常化50周年」と言う特別な年であり、三度目の韓国訪問を決定しました。2015年10月30日夜も明け切れない午前5時、広島駅新幹線口に集合し、今回は15名で出発。岡山空港からソウルへ。仁川空港には、「歓迎・広島車いすダンスくらぶ」と華やかにアレンジされている横断幕が準備されていて、関係の皆様が待っていてくださり大感激。「アンニャハセヨー、チョームベッケスンミダ。カムサハンミダ」こちらも覚えたてのハングルで元気に挨拶する。待機しているレンタルリフトバスで、ソウル市内にある大きな障害者施設を早速訪問。

 施設の案内に続き、いよいよ障害者30人余りの前で、ダンスを披露。いっぱいの拍手や手拍子をもらって、楽しく交流する。「カムサハンミダ」の応酬。

 ソウル市役所のまん前のプレジデントホテルが宿泊場所だ。荷物を下ろすと、すぐ同ホテルの二階で開いていただく歓迎会へ。市役所国際交流課の日本語の堪能な女性の課長さんや日本人会会長、在韓国日本大使館公使、翌日訪問する施設の責任者の方々等、大勢の皆さんの前で、絨毯の上だったが、頑張ってダンスを披露する。皆さん一様に驚きと感動の面持ちで、一気に話がはずむ。翌日は、バスで青瓦台や南大門、日本の総督府があった場所に再現された昔のお城などを見物し、午後は施設訪問。

 ここでも、握手や一緒に写真を撮ったりして楽しく交流することができた。

 ソウルは、ビルの林立、道路が上下5車線。いつでも航空機が飛ばせるように考えられているからとか。この国に徴兵制があることを改めて思い出す。ソウル市役所のホールで開催する私たちの公演の手伝いをするため、広島市中区の産婦人科医の河野美代子先生は、わざわざ、土曜日の診療を終え、新幹線と飛行機を乗り継いで夜中の12時にホテルに駆けつけてくださった。折しも3国会談や日本の外相、次いで総理大臣の訪韓等と合致し、いたるところ物々しい警備が敷かれ、市役所周辺に駐車場がないことなどもあってか、会場に足を運ぶ人は少人数でしたが、どなたも涙を浮かべ、感動した表情をされていた。私たちも確かな手ごたえを感じることができた瞬間でした。

 3日間のソウルの後は、残り2日間、我がくらぶの親善訪問としては初めて同じ都市を二度訪問する釜山へ。なつかしい関係者が出迎えてくださった。到着後、すぐに釜山市役所のホールへ。6年前踊った時のことが甦ってくる。観客も3~400人の方々が集まってくださった。夜は懇親会だ。私たちのダンスをたっぷりご覧になった後でもあり、また、記憶にある人たちが何人もいてくださり、宴は夜遅くまで続いた。在釜山日本領事館の総領事から「日韓国交正常化50周年」記念のバッジもいただいた。

 旅行中、どこを訪問しても、また、歓迎会や懇親会の席でも、必ず「早く又、来てください。この崇高な活動を今後もずっと続けてください」と言われ、「お互いに近くて近い関係を築いて行きましょう!」が皆さんの一致した言葉でした。11回目となる親善訪問も親善の役目を果たして全員元気で帰国でき、関係の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。5日間の旅行中、雲一つない青空が私たちの旅のお供をしてくれました。 

ソウル市庁舎 多目的ホールでの公演広告
ソウル市庁舎 多目的ホールでの公演広告